1993年に導入された「外国人技能実習制度」は、新制度「育成就労」へと切り替わることが決定しており、現在導入に向けて準備が進められています。(2024年4月時点)

本記事では、外国人技能実習制度と育成就労の違いについて解説いたします。

育成就労に関しては他記事もご参考ください。

技能実習制度と育成就労の主な違い

項目技能実習制度育成就労
目的技術移転人材確保
在留期間最長5年最長3年
(特定技能1号へ移行可)
転籍原則不可条件次第で可
日本語能力独自の研修を実施
日本語能力N3以上を目指す
一定水準が必要
職種幅広いジャンル特定技能の12職種
受入企業の負担増える

目的の違い

外国人技能実習制度の目的

技術移転

外国人技能実習制度は、技能実習を通じて日本企業が持つ技術を習得し、母国での発展につなげてもらうことを目的としています。

しかし制度導入後、「技術移転」という本来の目的とは異なる制度利用の実態が増加し、様々な問題が発生するようになりました。この問題を解消するべく導入が検討されているのが育成就労です。

育成就労の目的

人材育成・人手不足解消

育成就労は、人手不足が深刻化している日本国内の現状に対応する制度として導入が決定しており、その詳細については現在政府や関係省庁などで調整が行われています。

なお、人手不足が深刻化しているのは日本だけではなく世界各国で問題となっており、国外から優秀な労働力を獲得したいというニーズが高まっています。

そのような状況において、「自国外に働きに出たい」と考えている外国人労働力にとって日本という国が「労働環境として魅力的」となるべく国際競争力をつけるための制度を整備することも育成就労の1つの目的となっており具体的には、育成期間終了(3年間)時点で特定技能1号に相当する能力を持つ人材に育成することを目指しています。

そのために現在、「人材育成」「キャリアパス形成」「労働環境の整備」「人権保護」などを重視した制度の検討が行われています。

在留期間と転籍の違い

技能実習生の在留期間

技能実習1号1年
技能実習2号2年
技能実習3号2年

技能実習生は最大5年間、日本で就労することができますが、その間の転籍は認められていません。

育成就労の在留期間

育成就労では在留期間は3年が基本となります。そしてこの期間の転籍も認められていますが、転籍が認められるのは「やむ得ない事情がある」「本人の意向」「転籍先の許可」などが必要となります。

また育成就労期間終了後は、特定技能1号に移行することもできます。(技能検定・日本語能力検定の合格が必要)

そのため、育成就労で受け入れた後、特定技能の資格を取得できればそのまま働き続けることができ、特定技能2号になればずっと働くことも可能となります。

日本語能力の違い

技能実習生の日本語能力

受入時には、要求される日本語能力水準は設定されていません。

技能実習生は、入国前に約6ヶ月間の事前講習を受けます。これは送り出し機関や協同組合が独自に実施する講習であり、実習生の日本語能力はまちまちです。

育成就労の日本語能力

育成就労では受入時の条件として一定の日本語能力を保有していることが設定される予定です。

就労開始前までに「日本語能力A1相当以上の試験に合格すること」「または同等の日本語講習を受講すること」が求められ、受入1年後までには「日本語能力A1相当以上の試験に受験すること」などの情景が設定されるようです。

職種の違い

外国人技能実習制度の職種

技能実習制度は令和5年10月31日時点で90種165作業の職種・作業にて受入が認められています。
(厚生労働省・技能実習制度 移行対象職種・作業一覧)

育成就労の職種

育成就労は、その後の特定技能1号への移行を前提としているため、受入職種は特定技能と同じ分野となる予定です。

(1)介護
(2)ビルクリーニング
(3)建設
(4)素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
(5)造船・舶用工業
(6)自動車整備
(7)航空
(8)宿泊
(9)農業
(10)漁業
(11)飲食料品製造業
(12)外食業

これらの受入職種については、導入後も状況に合わせて調整が行われる予定です。

なお、2024年3月29日の閣議決定において、「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が特定技能1号の在留資格に追加されることが発表されました。

受入企業の負担について

育成就労では、職場環境の整備や外国人材の人権保護の観点から、技能実習制度に比べて彼らを守るための仕組みが整備されています。その結果、相対的に受入企業の負担が増えることが予想されています。

受入コストの増加

技能実習制度では、送り出し機関に払う手数料や渡航費などは実習生側が支払っていましたが、この金額が多額のため借金をしなければならないなど大きな負担となり問題となっていました。

育成就労ではこの費用を受入企業も負担することが決まっています。

これ以外にも研修や人件費などの費用負担が増えることが想定されます。

労働環境・労働条件の見直し

育成就労では今まで以上に労働環境や労働基準の厳守が求められるため、賃金や労働時間の見直しが必要になる場合も考えられます。また転籍が可能になったことで「選ばれる職場」としての環境整備も求められるでしょう。

管理体制の見直し

実習生の権利保護や適切な制度運用のため、技能実習制度以上に実習生の管理や監督、報告などを厳格に行うことを求められると思われます。

教育・研修プログラムの充実

育成就労では人材育成も大きな目的であり、スキルアップやキャリアパス形成へのサポートの充実が求められるかもしれません。

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