1993年に導入された「外国人技能実習制度」は、新制度である「育成就労制度」へと切り替わることが決定しました。2024年6月に改正法が公布され、新制度は2027年(令和9年)4月1日より施行されます。

本記事では、外国人技能実習制度と育成就労の違いについて解説いたします。

育成就労に関しては他記事もご参考ください。

技能実習制度と育成就労の主な違い

項目技能実習制度育成就労
目的技術移転人材確保
在留期間最長5年最長3年
(特定技能1号へ移行可)
転籍原則不可条件次第で可
日本語能力独自の研修を実施
日本語能力N3以上を目指す
一定水準が必要
職種幅広いジャンル特定技能のうちの17分野
受入企業の負担増える

目的の違い

外国人技能実習制度の目的

技術移転

外国人技能実習制度は、技能実習を通じて日本企業が持つ技術を習得し、母国での発展につなげてもらうことを目的としています。

しかし制度導入後、「技術移転」という本来の目的とは異なる制度利用の実態が増加し、様々な問題が発生するようになりました。この問題を解消するべく導入が検討されているのが育成就労です。

育成就労の目的

人材育成・人手不足解消

育成就労は、人手不足が深刻化している日本国内の現状に対応する制度として導入が決定しており、その詳細については現在政府や関係省庁などで調整が行われています。

なお、人手不足が深刻化しているのは日本だけではなく世界各国で問題となっており、国外から優秀な労働力を獲得したいというニーズが高まっています。

そのような状況において、「自国外に働きに出たい」と考えている外国人労働力にとって日本という国が「労働環境として魅力的」となるべく国際競争力をつけるための制度を整備することも育成就労の1つの目的となっており具体的には、育成期間終了(3年間)時点で特定技能1号に相当する能力を持つ人材に育成することを目指しています。

そのために現在、「人材育成」「キャリアパス形成」「労働環境の整備」「人権保護」などを重視した制度の検討が行われています。

在留期間と転籍の違い

技能実習生の在留期間

技能実習1号1年
技能実習2号2年
技能実習3号2年

技能実習生は最大5年間、日本で就労することができますが、その間の転籍は認められていません。

育成就労の在留期間

育成就労制度での在留期間は、「原則3年」となります。

この期間中、やむを得ない事情がある場合のほか、一定の要件を満たせば「本人の意向」による転籍(同一業務区分内)も認められます。

ただし、本人の意向で転籍を行うには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 同一の受入機関で1〜2年(当分の間は分野ごとに設定)を超えて就労していること
  • 技能検定基礎級等および、一定水準以上の日本語試験に合格していること
  • 転籍先の機関が適切であると認められる要件を満たしていること

また、原則3年の育成就労を終えた後は、
・「技能検定3級等(または特定技能1号評価試験)」
・「日本語能力A2相当(N4等)以上の試験」
に合格することで、在留資格「特定技能1号」へ移行することができます。

これにより、育成就労から特定技能1号へとステップアップしてそのまま働き続けることができ、さらに要件を満たして「特定技能2号」の資格を取得できれば、在留期間の更新に制限がなくなるため、日本で長期にわたって継続して働くことも可能となります。

日本語能力の違い

技能実習生の日本語能力

受入時には、要求される日本語能力水準は設定されていません。

技能実習生は、入国前に約6ヶ月間の事前講習を受けます。これは送り出し機関や協同組合が独自に実施する講習であり、実習生の日本語能力はまちまちです。

育成就労の日本語能力

育成就労制度では、外国人が段階的に日本語能力を向上させながら就労できるよう、各段階において明確な日本語能力の基準が設定されています。

  • 就労開始前(受入時):
    「日本語能力A1相当(日本語能力試験N5等)以上の試験に合格すること」、または「それに相当する日本語講習を受講すること」が必須となります。
  • 就労開始後1年経過時(転籍の条件):
    「分野ごとに設定される一定水準(A1〜A2相当以上)の日本語試験」および「技能検定基礎級等」に合格することが求められます。この試験への合格が、本人意向による転籍を行うための条件の一つとなります。
  • 特定技能1号への移行時: 3年間の育成就労を終え、特定技能1号へ移行するためには、「日本語能力A2相当(N4等)以上の試験」への合格が必須となります。

職種の違い

外国人技能実習制度の職種

技能実習制度は令和5年10月31日時点で90種165作業の職種・作業にて受入が認められています。
(厚生労働省・技能実習制度 移行対象職種・作業一覧)

育成就労の職種

育成就労対象分野

特定産業分野は19分野、育成就労産業分野は17分野となりました。
新たに3分野が追加され、育成就労にふさわしくないとされる2分野は特定技能のみとされています。

受入企業の負担について

育成就労では、職場環境の整備や外国人材の人権保護の観点から、技能実習制度に比べて彼らを守るための仕組みが整備されています。その結果、相対的に受入企業の負担が増えることが予想されています。

受入コストの増加

技能実習制度では、送り出し機関に払う手数料や渡航費などは実習生側が支払っていましたが、この金額が多額のため借金をしなければならないなど大きな負担となり問題となっていました。

育成就労ではこの費用を受入企業も負担することが決まっています。

これ以外にも研修や人件費などの費用負担が増えることが想定されます。

労働環境・労働条件の見直し

育成就労では今まで以上に労働環境や労働基準の厳守が求められるため、賃金や労働時間の見直しが必要になる場合も考えられます。また転籍が可能になったことで「選ばれる職場」としての環境整備も求められるでしょう。

管理体制の見直し

実習生の権利保護や適切な制度運用のため、技能実習制度以上に実習生の管理や監督、報告などを厳格に行うことを求められると思われます。

教育・研修プログラムの充実

育成就労では人材育成も大きな目的であり、スキルアップやキャリアパス形成へのサポートの充実が求められるかもしれません。

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